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それいゆインタビュー
じっくり、丁寧にブランドづくりをする人々 女性のプロジェクトチームが作り上げたブランド「ココンシュペール」
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Interview 3 新たな販売手法の開発

石川:販促宣伝については、どのようなことを意識されたのですか?
神保:今回は大々的な宣伝ではなく、どうやったら一番早くターゲット女性に商品コンセプトを理解してもらえるか? 好きになってもらえるか? というところからスタートしました。
尾本:売り方についても今までとは変える、マスメディアを多用するのではなく、よりカスタマイズされた形でお客様へアプローチをする、そういった新たな販売手法の開発というのも、このプロジェクトのミッションの一つでした。今回、私たちは、Webを使った消費者とのコミュニケーション活動と、店頭でのお客様との接触を最も意識しました。
石川:店頭での接触というと?
尾本:コスメ感のある店頭演出、テスターやサンプルによる店頭での試用機会の提供といった店頭にフォーカスした販売サポート計画を打ち出しました。また、「ココンシュペール」は全部で8アイテムあり、それにトライアルキットという1週間分のお試しセットを加えると、ちょうど陳列棚1列分になるのですが、販売店様には、「ココンシュペール」を扱うときは必ずこの形で配置してくださいとお願いしています。つまり、バラ売りは一切しない。お客様がどこの店舗へ行こうと、常に同じように「ココンシュペール」がラインナップされている、そういう店頭を作っています。
長沼:置き方のお願いだけでなく、店舗の担当者に研修も受けていただきました。お客様に正しく「ココンシュペール」を理解していただくためです。これは弊社のヘアケア商品では初めての試みです。
石川:広告の手法も、時代とともに変化していますね。
長沼:今回は、敢えてマスメディアへの戦略を打ちませんでした。「ココンシュペール」がターゲットとしている女性たちは、周りの皆が使っているものより自分専用のスペシャルなものを好む傾向があります。そういった女性たちには、できるだけ直接、メッセージを伝えたほうが良いと判断したのです。
尾本:ターゲット女性は、情報収集は欠かさない人たちですので、その行動パターンは、まずネットで商品について調べる、次にサンプルを試してみる、そして買う、です。そういう女性は、テレビCMを見て買うのではなく、自分で探して見つけて買うことに、より満足感を得ているようです。
神保:最近は、クチコミを信じて商品を購入する人が増えています。ココンシュペールは、発売前よりWebを使って高感度消費者から全国のコスメファンに情報発信するようにしました。そういったクチコミの中から「ココンシュペール」のファンが生まれてくれたらと思っています。そのためには、「ココンシュペール」の世界観を丁寧にお客様に伝えていくことが大切だと考え、発売前にメンバー全員で、メインビジュアル、キーカラー、メインコピーなどの整理を行いました。どこの売り場でも何の媒体を見ても「ココンシュペール」の世界観がきちんと伝わるようにという思いからです。

石川:ご自身のお友達に薦める感じで、「ココンシュペール」をアピールしていただけますか?
長沼:「かなり画期的な商品ができたのよ。ヘアケア界初のアイテムで、しっかり補修して且つ髪に動きを出してくれるの」
尾本:「次の日の朝、絶対に手触りが違うから使ってみて!」
千葉:「この商品はホントに本気で作ったので、ぜひ使ってみて!仕事で他の製品を使うこともかなり多いけれど、やっぱり違うなと実感している。自信を持ってお薦めします」
神保:「すごいシャンプーが発売されたの。この商品は女性だけのプロジェクトで作ったのよ。色々と大変なことはあったけど、その分、自信があるから」

Interview 4 プロジェクトを通じて得られたもの

石川:約1年に渡るプロジェクトの中で、ピンチはありましたか?
長沼:様々な新しいことに挑戦したので、確かにとまどいはありました。メンバーは皆、平均勤続年数5年前後の若手でしたので。
石川:開発者と研究者の「ぶれ」のようなものは感じましたか?
千葉:最初のコンセプト作りから参加しているので、全くありませんでした。
石川:女性だけのプロジェクトは御社では始めてだそうですが、やっぱり男性がいたほうが良いと思ったことはありませんでしたか?
長沼:今回のプロジェクトに関しては、特に問題ありませんでした。
尾本:ターゲットである女性が考え、生み出したので、本当に女性が欲しい商品が作れたのではないかと思っています。
長沼:女性ならではの感性は、存分に生かすことが出来たと思います。またチーム内での意思疎通や決断がかなりスムーズで、やりやすかったです。
神保:女性だからこそ持っている美しさを凝縮したら、こういうパッケージになりました。すごく綺麗な顔をしていると自負しています。

石川:皆さんが、このプロジェクトを通じて、自分が変わった、成長した、ということはありますか?
長沼:確実に変わったと思います。ひとつは、すごく自分に自信がついたことです。また、代理店を使わずにお客様へのアプローチを自分たちで考えたことで、感性が豊かになったと思います。
尾本:商品が生まれるところから生産、商談、販売と、すべてをトータルで見ることができ、ブランドの全体像を捉えることができました。また、私は何度も経営会議に出席して、経費や利益などについて説明しなければならなかったのですが、そういう経験を通じて、ブランドのひとつひとつが会社の利益になっているのだということを実感できるようになったと思います。他部署の業務の詳細を知ったことも非常に勉強になりました。
千葉:相手を説得する難しさを知りました。周りに賛同してもらう、YESと言ってもらう難しさです。でも「このチームであれば」、今後もその難しさを乗り越えられると信じています。
神保:初めて取り組むプロモーションやアプローチ方法が多かったので、そこにチャレンジすることで自分の中の引き出しが増えたと思います。新しい切り口、手法を数多く覚えたことは、これからの自分の強みになるに違いありません。



女性のための女性によるブランド作りは、ありそうで、まだまだ数が少ない。
そんな中、今回のココンシュペールのプロジェクトチームは、
まさに女性が本当に欲しいと思う商品を女性たちが作っている注目すべき取組みである。
さらに興味を持ったのは、これまでの広告宣伝手法とは異なる新たな試みにもチャレンジしている点。
あえてマスメディアに頼らず、店頭にフォーカスした販売サポート計画は、
どういう結果を導き出すだろうか。
インタビューを通して、このプロジェクトメンバーが、
じっくり、丁寧にブランド作りをしていこうという心意気を感じ、思わず応援したくなった。
大きなチャンスを与えられ、チームで協力しながらブランドを作っていく過程で、
彼女たちは、確実に引き出しを増やし、自信を身に付けたようだ。
ヘアケア商品も多種多様の今日、新商品が支持されるには、決して楽なことではないだろう。
それいゆでは、こだわりをもって地道な取組みに汗をかいている人達にスポットを当てたいと思う。

それいゆ 代表 石川正子

ライター:守屋美和
ココンシュペール: http://www.coconsuper.jp/

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